栄水の手帳2024年8月5日 三味線大改修工事?その二


前回の続き・・・

1の福林の位置をずらした事で、一の糸の二の糸巻への当たりは軽く触れている程度までもってこれたんだが、もうちょっとクリアランスがほしい。ってことで、その2.天神の上駒取り付け位置を盛り上げる・・・

天神イラスト4

これをやってみます。今の状態から上駒取り付け位置を最低2mmくらい盛り上げないとクリアランスが出ないんだ。

まず、天神と上棹を外すんですが、膠で接着されているので、鍋にお湯を沸かしてその湯気にかざします。僕は膠外し用に100均のまな板の真ん中に穴をあけてそこから湯気が出るようにしてます。

膠外しの画像1

湯気が出てきたら、接着部分にあたるようにてしばらく置いときます。

膠外しの画像2

膠外しの画像3

結構時間かかるんだぜ・・・

膠外しの画像3

・・・やっと外れました。

東さわりのガイド?も外してしまおう。ここは膠ではなく瞬間接着剤っぽかったので半田ごてで熱したら取れました。

外しの画像1

で、天神、上棹、事前に紅木の端材で作っておいた盛り上げ用のパーツ。これをくっつけていきます。

天神盛り上げ1

まずは、上棹の天神との接合部分に付け足します。ここは膠で接着しました。

天神盛り上げ1

天神盛り上げ2

天神とつないでみると、棹面が2mm少々上がってる状態。イラストのイメージ通りだ。

天神盛り上げ3


次は、天神。とりあえずくっつけます。ここは瞬間接着剤、ALTECOのジェル状瞬間接着剤(遅硬化タイプ)。基本、今後外す必要の無い所は瞬間接着剤。

天神盛り上げ4

天神盛り上げ5

くっつける端材は、天神の形より大きめに厚さも予定より厚目にして、接着してから形を整えます。

天神盛り上げ6

天神盛り上げ7

東さわりの角穴がふさがったから小さめに開けときます。ドリルで二ヶ所開けてから四角くします。

天神盛り上げ8

天神盛り上げ9

ここまできたら、天神と上棹の接合部分がピタッと合うように鑿で微調整して膠で接着します。ピタッと合うように、と言っても素人だとなかなか上手くいかないんですがね。職人さんならもっとピタッと出来るんです。あと仕上がりの美しさ。そこらへんが素人と職人の違い。

まあでも経験上、この程度なら接着後の強度と耐久性は大丈夫だろう、ってのは何となくわかるんで、これでいく事にしよう。

膠(にかわ)で接着するんですが、粒膠を使っています。めったに使わないし、いつも極少量なんで小さなプラスチック容器に使う分だけ取ってやってます。容器に取った膠に水を少々加えて一晩ほど置いとくと、膠が水を吸って膨れよります。

膠1

これを湯煎して溶かして使うんですが、僕はだいたいお湯の温度は75℃前後までにしてます。あまり温度を上げすぎると接着力が弱まるみたいです。あと、溶かした状態でドロドロで硬過ぎる時は少しお湯を加えて薄めたりしますが、あまりサラサラ過ぎてもこれまた接着力が弱まります。

膠2

ほいで天神と上棹接着・・・

膠3

完全に接着するまで、一応一晩置いときます。


次回は東さわり仕込み~上場通しで完成させます。