栄水の手帳2024年1月13日 なぜ三味線を弾くのか?


2024年

1月13日 なぜ三味線を弾くのか?


いきなり根本的な問いかけ・・・

・そしていきなり結論から言えば、三味線が好きだから。そして三味線を弾くというのは表現手段の一つなのです。僕には三味線、特に津軽の三味線が最も気持ちを乗せやすいと感じたのです。自分の内にあるものを三味線を使って外に出す、ってこと。内にあるものって何ですか? いやいや、それをここで言っちゃうと三味線弾く必要無くなるじゃん。あくまで僕の演奏聴いて感じ取ってください。どう感じるかは人それぞれだし、もうそれが答えでいいですよ。

ここ数年、特にそんなふうに思えるようになりました。当初は自分の思いを人に伝えたいっていうのが強かったけど、大きなお世話だわな。押しつけがましいわ。

なので最近は出来るだけ気持ちをクリアにして、人がどう思おうが知ったこっちゃない、自分がいいと思う演奏をやる、ただそれだけ。僕の演奏を聴いて少しでも元気になってくれる人がいる、だから弾く。

伝わる人には伝わるし、伝わらない人には伝わらない。でもやるからには出来るだけ多くの人に伝わって欲しいというスケベ心も無きにしもあらず・・・言っておくが僕の「内にあるもの」は「スケベ心」ではないぞ!

僕は音を発信する側ですが、逆に受け手側になった時でも何となく分かるってことはありますね。カマリで分かるっつうかねえ。ジャンルは関係ないですよ、音楽だけじゃなく別の表現手段を使ってる人でも。たぶん”内にあるもの”が似てるんですよ。同じカマリがする。そういう表現者は好きですね。

・それともう一つ大事な事、師匠の芸を継ぐ、って事。僕には師匠がいます。高橋栄山という立派な師匠が。「竹山流津軽三味線」のページにも書いていますが、当時、教えないで有名であったあの初代 高橋竹山から三味線を習得し、竹山流津軽三味線のしっかりとした型を構築されたのです。これは並大抵の努力では出来ない事です。この功績は、もっともっと評価されなければならないですよ。世間はどこ見てんだろな?・・・って、言ってもしょうがねえか。

ま、とにかく栄山の三味線を継ぐって事も大事な使命です。使命って言うと大げさかもしれんが、師匠の三味線が好きだから真似したいっていう事ですよ、単純な事。当たり前じゃん、師匠が好きだから習いに行ってんだからね。

弟子は師匠に似てなきゃならん。三味線が似てる事が第一だけど、それ以上にやはりこれも”内にあるもの”を継ぐって事が大事なんだろうね。

糸玉の画像


いいものはいつの時代でもいいんです。時代が変わっても変わらないものはあるはずです。そこを見つめる事が大事なんではないでしょうか。