栄水の手帳2024年1月14日 三味線の糸


2024年1月14日 三味線の糸

三味線の糸は三本で、材質は絹です。

一番太いのが「一の糸」、真ん中のが「二の糸」、一番細いのが「三の糸」と呼びます。

糸の画像1

津軽三味線の場合は、一の糸だけ極端に太いものを使います。ちなみに僕は基本的には、一の糸は義太夫の中口(太さ的には25くらい?)、二の糸は15、三の糸は13または14を使っています。皮の張り具合によって二の糸を16、三の糸を15に変えることもあります。

糸の画像2

13とか14とかって何かと言うと、糸の目方で単位は匁(もんめ)です。まあ太さと思ってもらって差し支えないかと。数字が大きくなれば太くなります。でも・・・

例えば、18-1 、13-2 、13-3 と呼びますが、これは一の糸が18(匁)、二の糸が13(匁)、三の糸が13(匁)という事で、民謡三味線の場合の一例です。

糸の画像3

あれ?二の糸と三の糸、同じ13なのに太さが違うじゃん?

これはどういうことかと言うと、糸1本の重さが13匁、ではないのです。ちなみに1匁は3.75gだそうです。という事は13匁は13×3.75=48.75g!そんな重たい糸あるわけないがな。

細い原糸を何本も撚り合わせて、様々な工程を経て三味線の糸になるんですが、最初に「目方合わせ」という事をするのです。原糸を13匁とか14匁とか目方でそろえていくのですね。で、ここから、例えば13匁なら、13匁の原糸から何本作るかが決まっているんです。一の糸は50本、2の糸は100本、3の糸は200本と。ですから、同じ13匁でも二の糸と3の糸では太さが違ってくるのです。逆に考えたら、13-3を200本分と13-2を100本分の重さがそれぞれ同じ13匁になるはずです、だいたいね。(実際には、三味線の糸はウコンで着色して糊で固めますので厳密には原糸のみの重さではないだろうから)

詳しくは、その道のプロフェショナル 丸三ハシモト株式会社 をじっくり見てみてください。


2019年の7月に滋賀県長浜市木之本町にある丸三ハシモト(株)にみんなで見学に行かせてもらったのがいい思い出です。ちょうどその時期、大音地区で まさに繭から生糸をとる糸取り作業も見学する事が出来ました。この生糸が丸三ハシモトさんとこに送られ、三味線糸をはじめ様々な糸に仕上がるのですね。

作業の写真は撮り忘れてるので建物の写真だけ。

大音の画像

糸取り作業見学の後に、僕の生徒が三味線演奏聴いてもらおうと企画してプチ演奏会。なぜか僕も一曲披露してます。

演奏の画像



糸一本でも沢山の人の技術が合わさってるんですよね。

次回は糸の扱い方などを書こうかな?糸ネタまだ続きます。