たかあきの趣味の部屋3



●天神

棹と同じ材料で天神を作ります。これまた難しい。こうして見ると、三味線って曲面多いなあ。それも3次元の曲面だから、より難しい。やはり胴と同じように、2回に分けて丸めるべし。

でも最初は、この状態から

天神e1

木のブロックだわ。

まず、天神の先っちょのカーブを削り出します。

天神e2天神e3


糸ノコで裏側を切って

天神e4天神e5

ザックリ整えて

天神e6天神e7


中心を決めて糸蔵を開けます。

天神e8天神e9

天神e10


次に正面の形を削ります。

天神e11天神e12

天神e13天神e14


そして頭の部分を丸めていきます。削っていると、角が欠けちゃうので要注意。

天神e15天神e16


天神の裏側や、胴の内側を削るのは、ナマゾリという刃物を使うらしいが、1/3三味線はこの彫刻刀でいきます。木が硬いので柄が長いと力が入れやすい。あ、値札付いたままや・・・

天神e17

天神e18天神e19


棹の付け根側の形を削り、

天神e20天神e21

裏もちょっと彫って・・・

天神e22


最後に紙ヤスリで磨きます。

天神e23



1/3三味線の天神、完成!

天神e24

棹との結合部分は、仕込み時に削ります。



●中木

中木も棹と同じ材料で。

中木f1

棹との継手部分を切って~~~~~~~~~~~~~~先を削っていきます。

中木f2中木f3


中木f4

とりあえず、中木出来あがり。継手部分は後で微調整、先っちょも胴に仕込む時に、もうちょっと削ります。



●糸巻き

糸巻きは黒檀を使います。

糸巻きg1

最初は長めに材料を取って、ヤスリで削っていきます。万力てつままなあかんからね。

糸巻きg2

六角にするのが、また大変。

糸巻きg3糸巻きg4

なんせ細いので、糸を通す穴をあけると、そこから折れてしまうので要注意。実際、2作目のミニ三味線では折れてしまいました。

1/3三味線でも、糸蔵に入る部分の直径は2~3㎜くらいで、なんとか折れない限界の径です。

そして最後に長さをそろえます。

糸巻きg5




●仕込み

○棹と天神

仕込む前に、いろいろやる事があります。

まず天神。

天神h01天神h02

天神h03このように削ります。


次に、上棹。

上棹h04上棹h05

上棹h06上棹h07このように削り出し、

こうなります。もっと隙間なくぴったりいきたいんだが、この辺で妥協。

上棹h08


○下棹と中木

次に、下棹と中木の接着部分を切り出します。

下棹h09下棹h10

下棹h11下棹h12

下棹h13

胴に仕込む時に、もう一度微調整で削りますが、とりあえずこのへんでおいといて・・・


下棹h14


○胴に棹を仕込みます。

胴に丸穴を開けてます。

胴h15

太棹用は、丸穴にりんどうが付いていますので、1/3三味線では、

胴h16これ(ハトメ)を使うと、見た目がええ感じ。


胴h17


次に角穴を開けます。

胴h18胴h19

胴h20


中木先、継手部分を削って胴に入るように微調整。

胴h21胴h22

胴h23胴h24


下棹と中木、天神と上棹を接着します。

胴h25

接着したら、さわり溝を彫って・・・胴h26胴h27


さらに、下棹と胴を密着させるべく、接合部分を削って微調整。

胴h28胴h29


胴h30ちゃんとハがある!

そして、仕込んだ時、胴に対して棹の角度など、OKなら(本物の三味線なら、ハを見るってとこですな)、棹の磨き、塗装にはいります。


○磨き~塗装

耐水ペーパー400番~800番で磨きます。最終的には2000番くらいで。

棹h31棹32


磨きが終われば塗装ですが、漆にチャレンジしてみました。

最初は、㈱播与漆行の「すぐ塗れ~る漆」が比較的手軽に出来そうな感じなんで、摺り漆的にやってみましたが、仕上がりの艶がいまいち。

棹h33棹34

結局、最終仕上げは、チューブ入りの上朱合漆にしました。

室は、100均のプラスチック容器と網、底に濡れタオルを敷いて、簡易室の出来あがり。

胴h35

「すぐ塗れ~る漆」を数回、仕上げに上朱合漆を数回塗って・・・

胴h36胴h37

そこそこ、ええ感じでないかい?


太棹の中木先は、本当は金物なんだけど、金色塗装でごまかし。

棹h38



○糸巻き

次に、糸巻きを仕込みます。

まず、天神に穴をあけて、

棹h39

本物の三味線なら、焼きぬくみたいですが、1/3三味線はドリルでいきます。

棹h40棹h41

糸巻きの太さを微調整。

棹h42棹h43

糸巻きの長さをそろえて・・・棹h44

棹h45

本当なら穴に金具を仕込むんですが、そんな小さい金具はありまへん。

ので、棹h46これを使います。アクセサリー用の小物。

接着剤でくっつけます。棹h47

まあ、これは見た目だけの物ですので、あんまり糸巻きと押し込みすぎると、天神にヒビが入るので要注意。

棹h48

上駒は真鍮の針金をくっつけました。

棹h49



○吾妻さわりもどき

吾妻さわりは、代わりに細いネジを使います。

最初は棹に直接ねじ込んでましたが、木が湿気ったときなど、回すのが固くて難儀です。

そこで、3mmの真鍮パイプの内側にネジ切ってみました。

さわりh50さわりh51

3mm真鍮パイプは、M2.3のネジがちょうど切れるくらいの内径。

さわりh53


ネジを切った真鍮パイプを適切な長さにカットして、上棹に穴をあけて・・・

さわりh52さわりh54

さわりh55さわりh56

さわりh57真鍮パイプを押し込みます。

ネジの頭を円錐状に削りまして・・・

さわりh58

装着・・・

さわりh59さわりh60


実際の吾妻さわりの構造も知っているんですが、1/3三味線で再現するには、ちと細かすぎ。

今のところ、これで妥協しときます。

さわりh61


さわりh62

・・・ここまでくると、もう完全に三味線!


―――――――――――――――さて、次はいよいよ皮張りです。


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