2024年
2月20日 棹復活!
この三味線、2000年4月に僕が初めて買った稽古用の花林太棹三味線です。上場通しを何度もしてハ調整も一回しました。花林ではなく紅木に見えるでしょ?
もうこれ以上棹削りたくないなと思い、上場に紅木の板を貼ってやったわい! 結構大変ではありましたが・・・
まず、紅木の板(厚さ4~5mmくらい)を切りまして(広告紙を敷いているところがダサイんだけども)・・・上棹用と下棹用
上棹用と下棹用は同一の板から、中棹用は別の紅木の板から作りました。下の写真、白いのんは型紙。実際の棹の幅より大きめにして、接着してからはみ出た部分を削ります。接着は、ジェル状瞬間接着剤、遅硬化タイプを使いました。
おっと、天神部分も増やさなきゃいけないんで、天神外して・・・乳袋から糸蔵辺りにかけても紅木の端材で付け足しまして・・・
天神と上棹を膠でつけて、上場を綺麗にました。中棹は別の板なんで木目が合ってないですが、まだこの時点では花林みたいな色してるでしょ。この後、一~二週間で黒くなりました。この紅木の板、かなり鉄分が多いようです。
それから、上場が増えた分のハ調整、中木接着、最後に漆で仕上げました。
結局、全体的に棹の厚みが4mm程増えました。上棹の天神付け根の厚みが約36.5mm、中棹と下棹の継手付近の厚みが約38mmとなり、新品の時より太くなっているような?!
あと、細かいところでは、天神の乳袋~糸蔵にかけても厚みが増えた(元に戻った?)ので、東さわり本体も乳袋面に合わさなきゃいけない。裏側、だいぶ押し込みました。(ちなみに、この黒檀の糸巻は自作です。黒檀の厚板から切り出し削り出しました)
ちゃんと三つ折りを保っているところが、我ながら渋い!
写真ではそこそこ綺麗に見えますが、実際には削る時に傷付けてたり、糸蔵のカーブが不自然だとか、はみ出した接着剤が若干残ってたりとか・・・あるんですがね。初めてやってここまで出来たら、まあ十分でしょ。かなり変態の域に達していると思うんだが・・・ただ、これを紅木の三味線にやろうとは思わないですね。花林の棹だからやったけど、紅木の棹にはもったいない気がしますね。
ともあれ、これで後10年以上は使えるかな? 接着剤の耐久性はまだ未知数だけれども・・・
そういえば、2月2日 音緒の事とか、糸巻とかの最後の方で書きました、一の糸が二の糸巻に当たるっての。ちなみに今回登場の花林三味線は一度もそういう事は無かったんです、優秀だ!
一の糸が二の糸巻に当たる場合、↑この方法で解決出来るでしょう。棹側は何もしないで、天神と上棹の接着部分に出来た隙間は詰め物をすればいい。まだ実行はしてませんが、イメージは出来てます。いつになるか分かりませんが、実行した時はまた報告します。